2025年10月4日投開票の自民党総裁選(9月22日告示)が正式に決定しました。
石破茂首相の辞任表明に伴い、与党総裁=事実上の次期首相を選ぶ選挙として注目を集めています。
すでに複数の有力候補が出馬準備を進めていますが、その中でも特にメディアと国民の関心を集めているのが小泉進次郎・農林水産相です。
農水相として「米価対策」で一定の成果を見せ、
若手ながら発信力に優れる小泉氏が、もし本当に首相の座を射止めたら、
日本はどう変わるのでしょうか。
本稿では人物像から政策、当選の可能性、さらに話題の“進次郎構文”まで、徹底解説します。

画像出典元:衆議院議員 小泉進次郎(こいずみしんじろう)のオフィシャルサイト
小泉進次郎とはどんな人物か?
1981年生まれ、神奈川県横須賀市出身。
父は第87代内閣総理大臣・小泉純一郎。
米コロンビア大学大学院で政治学修士号を取得後、
米シンクタンクCSISで研究員を務め、2009年の衆院選で初当選しました。
環境相(2019–21)では国際会議での発言が話題となり、
2021年には気候変動担当相も兼務。
2025年5月からは農林水産相として現職に就いています。
プライベートでは滝川クリステル氏と結婚し二児の父。
サーフィンや野球など趣味も多彩で、親しみやすいキャラクターが支持層を広げています。
首相になったら何が起きる?
生活コストへの即効策
農水相として米価高騰に備蓄米の活用や流通調整を打ち出した実績があり、
就任初期には「生活直結の物価対策」を前面に押し出す可能性が高いと見られます。
国民生活を意識した政策アピールは、小泉流のスタートダッシュ戦略となるでしょう。
若返りと刷新の演出
政治資金問題や派閥文化に揺れる自民党において、
「若返り」と「刷新」を掲げる小泉氏の姿勢は象徴的です。
初期人事や規正法強化など、クリーンなイメージを打ち出すことで
世論の支持を獲得しにいくと考えられます。
地方と環境の二本柱
環境相時代に掲げた脱炭素路線と、
農水相としての地方産業振興をセットにした
「地方×環境」の成長戦略が想定されます。
これはエネルギー転換と地域振興を同時に実現する物語
として打ち出しやすいテーマです。
首相になる可能性は?
総裁選は「フルスペック型」で行われ、
国会議員票と全国の党員・党友票の両方が影響します。
小泉氏は若年層や都市部の党員票に強みを持つ一方、派閥基盤の弱さが課題。
2025年9月のJNN調査では「次の首相にふさわしい人物」で
小泉氏と高市早苗氏が同率トップ。
毎日新聞の全国調査でも石破氏に次ぐ位置で名前が挙がるなど、
知名度と人気は他候補に劣りません。
議員票の取りまとめができれば、十分に首相就任の可能性があります。
環境・エネルギー政策の深掘り
- セクシー発言(2019年)
国連気候行動サミットで
「気候変動の取り組みはクールでセクシーでなければならない」
と発言。
揶揄もされたが、環境問題をわかりやすく伝えようとする姿勢は
国際的な注目を集めました。 - 再生可能エネルギー最優先
環境相時代の会見で
「再エネ最優先の原則を維持する」
と強調。
規制緩和を進め、再エネ導入拡大を促す発言を繰り返しています。 - 温室効果ガス削減目標
2030年度に2013年度比46%削減という目標を掲げ、
「おぼろげながら浮かんできた」
と説明したことが批判を浴びました。
数値目標の根拠をどう具体化するかが課題とされています。 - 原発・石炭火力の扱い
個人としては脱炭素志向ですが、
政府全体としては原発再稼働や石炭火力維持の現実論に直面。
首相になれば「再エネ推進」と「安定供給」の狭間で
バランスを取る必要が出てきます。
経済・働き方・農業改革
- 農業改革の過去
農林中金や補助金制度の改革に取り組む姿勢を見せましたが、
既得権益との調整に苦戦。
実現度合いは限定的という評価もあります。 - 物価・賃上げ対策
最低賃金引き上げや価格転嫁支援に関する発言もあり、
生活者の負担軽減を重視するスタイル。
コメ価格対策がその象徴です。 - 子育て・働き方改革
自身が育休取得を宣言したこともあり、
「政治家が率先して行動する」姿勢を示してきました。
家庭と仕事の両立を社会全体で支える制度設計を進める可能性があります。
外交・安全保障
- 対米関係
父・純一郎氏同様に日米同盟を基盤とするのは確実。
気候外交など新しいテーマで米国との連携を強める可能性があります。 - 対中・対韓
抑止と対話を両立させる現実路線が予想されます。
経済安保や半導体供給網の再構築を重視する方向です。 - 防衛費
具体的な数値を語ったことはありませんが、
防衛力強化の流れは維持せざるを得ない情勢。
首相としてどこまで積極姿勢を見せるかは未知数です。
“進次郎構文”とは何か?
「AはAだ」という同語反復的な言い回しがネットで「進次郎構文」と呼ばれ定着。
例えば
「将来のことは将来になってみないとわからない」
といった発言が代表例です。
メリット
- 記憶に残りやすく、メディアに取り上げられやすい
- 政治への関心を呼び込むフックになる
デメリット
- 内容が薄く見え、批判を受けやすい
- 首相としては「実行性を伴う説明力」が必要
小泉進次郎に首相の資質はあるのか?
向いている点
- 発信力と知名度は抜群
- 生活課題への感度が高い
- 若い世代の期待を背負う刷新の象徴
足りない点
- 政策実行力・財源設計の経験不足
- 派閥基盤が弱い
- 脱炭素と産業競争力の両立という難題
読者の気になるQ&A
Q1:コメ価格は安定する?
備蓄米の放出や増産策で安定化を目指す方針が示されています。
ただし需要と供給、銘柄ごとの差もあり、
短期的な完全安定は難しいと見られます。
Q2:電気代は下がる?
再エネ拡大で長期的にコストが下がる可能性はあるが、
投資・インフラ費用も含まれるため短期では不透明。
公式に「下がる」とは明言されていません。
Q3:防衛費は増える?
小泉氏自身は具体的数値を語っていません。
安全保障環境から防衛費増加の流れは強いですが、
首相となっても調整が必要です。
Q4:外交で中国にどう向き合う?
国際協調や気候外交を重視する発言が多い一方、
安全保障での対中発言は少なく、今後の具体的姿勢が注目されます。
Q5:育休・働き方改革は進む?
自身が育休を宣言した実績があり、前向き。
ただし制度化には与党内調整や財源確保が必要です。
Q6:再エネ投資で雇用は生まれる?
関連産業で雇用創出効果は期待されますが、
規模や地域配分は制度設計次第です。
Q7:進次郎構文は国際舞台で通じる?
国際会議ではデータや具体策が重視されるため、
言葉のインパクトだけでは不十分。
政策裏付けが不可欠です。
Q8:高市氏に勝てる?
世論調査では有力候補の一角。
ただし派閥基盤や議員票では不利な面もあり、戦略次第。
Q9:地方の票は取れる?
農政や物価対策で地方票を狙うが、
自民党の既存組織票との兼ね合いが鍵。
Q10:派閥からの支持は?
派閥色は薄く、個人の人気頼み。
議員票確保が最大の課題です。
Q11:経済安保でどんな政策が出る?
再エネ機器導入や輸入依存減少を掲げた発言あり。
供給網強化や補助制度が検討対象になり得ます。
Q12:首相就任後、最初に出す政策は?
コメ価格・物価対策、再エネ拡大、ガバナンス刷新といった
生活・環境直結の施策が優先される可能性が高いです。
まとめ
- 小泉進次郎氏は2025年総裁選で有力候補の一人。
- 環境・地方・物価対策を武器に、刷新を訴える姿勢が強み。
- 一方で実行力・派閥調整力の不足は課題。
- “進次郎構文”で注目を集める発信力を、
政策実行につなげられるかが首相としての試金石。