2025年のMLBポストシーズンで、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手が見せた投球は、野球ファンだけでなく世界中の人々を驚かせた。
プレッシャーの極限にある舞台で、2試合連続の“完投勝利”。それは現代野球ではほとんど見られない偉業だった。
SNSや海外メディアでは称賛の声が止まず、「日本人投手が時代を巻き戻した」とまで言われるほど。
この記事では、2試合の内容と海外の反応、そして山本投手がなぜここまで世界を魅了したのかを整理する。
山本由伸ってどんな選手?
山本由伸(やまもと・よしのぶ)投手は、日本のプロ野球(オリックス・バファローズ)で大活躍し、2024年にアメリカの強豪・ロサンゼルス・ドジャースへ移籍したピッチャーです。
身長178cmと、メジャーの中では特別大柄ではありませんが、驚くほど正確なコントロールと多彩な変化球で打者を翻弄します。
もともと日本では“令和の怪腕”と呼ばれるほどの実力者で、移籍1年目からMLB(メジャーリーグベースボール)でも主力投手としてチームを支えました。
2025年シーズン、ドジャースは強力打線と安定した投手陣で勝ち進み、ついにポストシーズン(=シーズン後の決勝トーナメント)へ。
そこで山本投手が見せた“歴史的ピッチング”が、世界中の注目を集めたのです。
「完投」ってどれだけすごいこと?
まず、野球をあまり知らない方のために、今回のすごさをイメージで説明します。
ふつうのMLBの試合では、ピッチャーは6回か7回まで投げたら交代します。
これは、ピッチャーにとって肩や肘への負担がとても大きいから。
試合は9回までありますが、最後まで“ひとりで投げ切る”ことを「完投」といいます。
つまり完投とは――
⚾ チームを勝利させるだけでなく、最後までマウンドを守り抜く。
現代のMLBでは、完投する投手はほんの一握り。
しかもポストシーズン(=決勝トーナメント)という、通常よりも重圧のかかる舞台で、2試合連続で完投したのは20年以上ぶりの快挙なのです。
2試合連続完投、その中身をざっくり解説
NLCS(ナショナルリーグ優勝決定戦)第2戦
2025年10月14日、ミルウォーキー・ブルワーズ戦。
山本投手は111球を投げ、わずか3本しかヒットを許さず、1点だけに抑えて勝利。
試合の最初にいきなりホームランを打たれたものの、そこから立て直し、以降は完璧なピッチングを見せました。
まるで舞台の幕が開いた瞬間にミスをしても、その後は一度も音を外さないピアニストのよう。
ワールドシリーズ第2戦
続く10月25日(日本時間26日)、トロント・ブルージェイズ戦。
この試合では105球で、4本のヒット・1失点・無四球(フォアボール0)・8三振。
驚くべきことに、最後の20人の打者をすべてアウトにしました。
スタミナ、集中力、そして精神力。
すべてが極限状態の中で、それをやってのけたのです。
現地メディアは「まるで2000年代初頭の名投手を見ているようだ」と報じ、
ドジャースファンの間では「もう映画のようだ」と話題になりました。
海外メディアの称賛
アメリカやカナダの大手メディアもこの快投を大きく報道しました。
- 《ワシントン・ポスト》
「ここ10年間、ワールドシリーズで完投した投手はいなかった。
2試合連続完投は2001年以来の快挙だ。」 - 《MLB.com》
「山本は時代をさかのぼった。連続完投という“絶滅危惧種”のような偉業を成し遂げた。」 - 《FOX Sports》
「形容詞が足りない。彼の投球は言葉では表せないレベルだ。」
現地実況でも“Back-to-back complete games(2試合連続完投)”というフレーズが何度も繰り返され、
SNSでは「日本人ピッチャーが古き良き野球を取り戻した」とコメントが殺到しました。
ファンのリアクションも熱い
X(旧Twitter)やRedditなどのSNSでも、海外ファンのリアクションが大きな話題になりました。
- 「彼は別の時代から来たんじゃないか?」
- 「これが日本の職人魂か…」
- 「彼のフォームはアートだ。」
また、試合後にダグアウトで山本投手が“ゴミを拾う”映像が流れ、
「マウンドを去っても美しい」「プロフェッショナルとはこのこと」と称賛の声が相次ぎました。
単なる記録以上に、“人としての姿勢”が海外でも話題になったのです。
日本との違い
日本では、山本投手はもともと「完璧主義」「緻密なコントロール」が持ち味として知られていました。
しかし、アメリカではその冷静さや礼儀正しさ、そして努力家の姿勢が「文化的に美しい」と受け止められています。
たとえば、試合後に派手なガッツポーズを見せる投手が多い中、
山本投手は淡々とチームメイトに手を上げて挨拶し、静かにベンチへ戻る。
この“静かな強さ”が、アメリカのファンには新鮮に映ったのです。
今後への期待
山本由伸投手のこの快投は、単なる1シーズンの出来事ではありません。
「日本人投手がMLBの決勝の舞台で主役を張る」という現実を世界に示しました。
今後、彼が“信頼されるエース”としてドジャースの柱になるのは間違いないでしょう。
さらに、次世代の日本人投手たちにも影響を与えています。
「身長や体格ではなく、技術と集中力で勝てる」という実例として、
日本の野球少年たちの希望になっているのです。
動画で見る“世界が見た“山本由伸の快投””
まとめ
山本由伸の2025年ポストシーズンでの活躍は、
数字や記録のすごさだけでなく、「人としての美しさ」が際立っていました。
・2試合連続完投という歴史的記録
・冷静で落ち着いたピッチングスタイル
・プレー以外の姿勢まで称賛された「日本らしさ」
海外のファンが熱狂したのは、“勝利”よりも“誠実な強さ”だったのかもしれません。
野球に詳しくない人でも、この物語からは感じ取れるものがあるはずです。
